“いいね金沢”加賀野菜

さつまいも

概要

出荷時期:8月中旬〜6月中旬

 加賀野菜“さつまいも”の栽培品種である「高系14号」は、昭和20年高知県農業試験場で育成された早堀り用品種で、比較的安定した収量と外観形状を示す。イモは紡錘形で、皮色は紅色、肉色は黄白で外観がよい。食味は繊維質が比較的少なく、甘さが強い。焼き芋にぴったりの品種であり、じっくり加熱するといっそう甘みが引き立つ。

 金沢市でのさつまいもの栽培地は、日本海に面した砂丘地で、通気性・保水性に富む小さくもなく大きくもない砂粒の土壌が、格別に美味しいさつまいもを育む。
 いもは水、肥料を多く施せばたくさんとれるが、形や味が悪くなるので、肥料を減らし、デンプン含量の多いものをつくるようにしている。さらに、米ぬかを主体にした甘藷専用肥料により量より質に重点を置いた栽培方法を守っている。

 植えつけは、5月初旬から6月初旬、収穫は8月中旬から11月上旬である。貯蔵方法と出荷時期は、温度管理をしない倉庫貯蔵は年内に出荷し、定温貯蔵したものは翌年1月〜3月、キュアリング施設で貯蔵したものは4月〜6月に出荷している。


歴史と現状

産地:金沢市粟五地区、大野地区、大徳地区、内灘砂丘

 金沢市でのさつまいも栽培の歴史は古く、元禄時代末期(1700年頃)五郎島村肝煎大百姓の太郎右衛門が薩摩の国から種芋を持ち帰り、その栽培を伝授したのが始まりだと伝えられている。

 明治10年、自らの手で開墾した砂丘地で10ha余りを作付けしたのが産地化の走りとなり、以降、五郎島村全体に広がり栽培面積も増加してきた。昭和13年にはおよそ112トンの早堀りさつまいもが、京都、彦根、大阪、敦賀、神戸などの県外へ共同出荷され、市場から高い評価を得て栽培にも一層の熱が入ったと伝えられている。
 昭和35〜46年にかけて畑地かんがい事業、構造改善事業、港代替農地造成事業などで畑地が整備され、生産量が倍増した。
 また、昭和52年にはキュアリング貯蔵法の導入により、腐敗いもの減少と周年出荷が可能となり、金沢北部砂丘地の主力野菜の一つとなった。

 一方、品種も古くは「金時」(紅赤)、昭和20年頃から多収穫品種の「茨城1号」が栽培され、続いて「農林4号」(昭和24年)が中心となった。
 その後、高知県から「高系14号」を導入(昭和31年)し、昭和34年には「高系14号」に統一された。
 現在は、「高系14号」から選抜された鮮紅色の強い「コトブキ」(昭和53年導入)を主体に栽培している。その後、帯状粗皮症対策として昭和60年より茎頂培養したメリクロン苗が導入され、現在では主流になっている。