その名のとおり、ヘタの下まで紫色になる短卵形の小なすである。そのうえ色やつや、日持ちがよく、皮も薄くて、果肉が柔らかく甘みがあるのが特徴である。一夜漬け、やど漬け、煮物に最適で、崎浦丸なすとして親しまれている。 草型は横繁性で、分枝はやや多く多収性であるが、干ばつに弱い傾向があり、昔から排水がよく、しかも保水性に富み、夏期にうね間かん水が可能な水田で栽培されてきた。 収穫期に入ると側枝が垂れ下がるので、うねの両側にポリテープを張り、枝を支える。下葉かきは色つやをよくし、成り疲れを防ぐ大切な手段であるので、古い葉を手まめにかき取り、株内の日当たりをよくすることが大切である。 |
なすは中国より直接に、あるいは朝鮮半島を経由して日本にもたらされたが、それが全国各地に土着して、それぞれの地方の環境や好みによって、独特の地方種を生み出している。特に丸なすは、北支、朝鮮を経て北陸に伝わったとされている。ヘタ紫なす(丸なす)の来歴は不明であるが、明治22年頃、市内の近郊野菜産地(有松、泉地区)に栽培されていた「小木」と呼ばれる系統から見い出されたものと伝えられている。 昭和の初期に、現在の産地の金城地区(野田台地)、崎浦地区(小立野台地)、米丸地区、三馬地区で栽培されるようになった。このヘタ紫なすは、別名小立野なす(小立野台地)、大桑なす(野田台地)ともいわれ、最近では丸なすの名称で広く市民に親しまれている。 |
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